今回は、ホテル・旅館におけるデジタルマーケティングについて説明致します。商品を販売販売するECサイト、お問い合わせをもらうための会社HP、資料をダウンロードをしてほしいランディングページなど世の中にはたくさんのWEBサイトがありますが、どのWEBサイトもユーザーのゴール「CV(コンバージョン)」を軸に設計されています。
弊社でWEBサイト制作の依頼を受ける中で、一番最初に「サイト制作・リニューアルの目的・ゴールはなんですか?」という質問を行います。会社HPやECサイトを制作・リニューアルしたいお客様にこの問いをすると、「認知されたい」と仰る人が多いです。ただ、認知されることはプロセスに過ぎず、認知された後にどうしたいかが必ずあるので、そこの回答に辿り着くまでヒアリングし続けます。
参考までに、ヒアリングを続けると、会社HPを認知されたいお客様は、「自社の製品を購入してくれる新しい顧客を開拓したい」というような話に落ち着くことが多々あります。
ホテル・旅館においても「たくさんの人に認知されたい」「たくさんの人に知ってほしい」という思いで作ろうとしている人も多いかもしれませんが、ホテル・旅館においてわかりやすいゴールは「予約」だと思っています。
まとめると、ホテル・旅館におけるデジタルマーケティングは、「予約」が増えることになります。「予約」増やすために、SNSや広告を使ったりすることがデジタルマーケティングのアクションになると思っています。
ホテル・旅館におけるデジタルマーケティング施策
では、ホテル・旅館におけるデジタルマーケティング施策について説明します。私が知る限りホテル・旅館におけるデジタルマーケティングは以下の6つになると思います。
- SNS(Instagram/Twitter/Facebook/Tiktok)運用
- デジタル広告出稿
- コンテンツマーケティング
- メディア掲載
- メルマガ
1. SNS(Instagram/Twitter/Facebook/Tiktok)運用
SNS運用とは、Instagram/Twitter/Facebook/TiktokのようなSNSを活用してホテル・旅館をPRする手法で最も始めやすく、すでに実施している手法だと思います。
SNS運用で大切な指標は、フォロワー数、リーチ数になります。最近では、フォロワー数/リーチ数よりエンゲージメント率を重視する企業も増えてきています。エンゲージメント率とは、リーチ数に対して、いいねやコメントなどのユーザーアクションが実施された割合です。
2. デジタル広告出稿
デジタル広告出稿は、GoogleやYahooの検索連動型広告やディスプレイ広告、Twitter/FacebookのようなSNS広告等があります。どの媒体でも、年齢層や地域、趣味趣向までターゲティングでき広告出稿ができます。料金に関してもクリック数に応じた成果報酬やインプレッション(表示回数)課金等さまざまなタイプがあります。
デジタル広告出稿は少し知識が必要になるため、広告出稿方法のインプットが必要になります。ただ、使いこなすと費用対効果の高い集客が望める手法になります。
3. コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、顧客に価値あるコンテンツを作成することで見込み顧客を獲得する手法です。
コンテンツは、ブログ記事を想定している人も多いかと思いますが、いろいろな種類があります。
コンテンツの種類
- SNS投稿
- ニュースレター
- プレスリリース
- ポッドキャスト
- 動画
- 書籍
- プレゼンテーション
- ウェビナー
- 電子書籍
- インタビュー
- インフォグラフィック
- リサーチ情報
- ランディングページ
- ホワイトペーパー
- ブログ投稿
- WEBページ
- 事例
参考:Content Repurposing Ideas: The Periodic Table of Content
おすすめのコンテンツマーケティング
色々な種類のコンテンツマーケティング手法がある中で個人的におすすめなのは、ランディングページやブログ、WEBページの作成により検索からの集客を行う施策です。
SEOで集客ができると、コンテンツ作成費用を除けば実質無料で行うことができ、長期的にユーザーを獲得できます。記事やページの内容は、ユーザーが困りごとを解決できる記事やキーワードボリュームが多いキーワード(Google Adsのキーワードプランナー)に関する記事を書くことで集客が望めます。
4. メディア掲載
次にメディア掲載です。雑誌やテレビ、WEBメディアに自社の施設を取り上げてもらうことで認知してもらい、結果的に予約につなげる手法です。
メディアに掲載してもらうための基本的な考えとして、メディアはより多くの視聴数やアクセス回数を稼ぐため運営しているということを忘れてはいけません。そのためトレンドを押さえた取り組みや、新しい取り組み等、メディアが取り上げたくなるものを行い、発信する必要があります。
取り組みを発信する手法として、前述したコンテンツマーケティングの中にあるプレスリリースをおすすめします。プレスリリースは自社のHPでお知らせを投稿することはもちろんですが、各メディアへの自動転載をしてくれるPR TIMESというツールを利用するのをおすすめします。プレスリリースツールは他にもありますので、どのメディアに掲載してほしいか等を考えて選定するのがいいと思います。
5. メルマガ
最後に、メルマガです。メルマガを発信する上で大切な送信先に関しては、一度ホテルを利用したことがあるお客様はもちろんですが、見込み客が利用しているであろうWEBメディアや雑誌等が顧客向けにメルマガを有料で発信してくれる場合もあります。
メルマガを送る内容に関しては、ターゲットが喜ぶキャンペーンやお得な情報がないと宿泊予約に結びつかないため、内容の精査は重要になります。
マーケティングを行う上で大切な効果測定
マーケティングを行う上で、忘れてはいけない大切なことはそれぞれのマーケティング施策がどのくらい効果があったかを計測する効果測定です。効果測定する指標の代表的な例が、1件のCVに対していくら費用がかかったかを示すCPA(Cost Per Action)です。CPAを計測しておくと、どの施策の費用対効果が良かったがわかり、広告費用を投資しやすくなります。
効果測定をする方法はいくつかありますが、デジタルの施策であれば、Googleアナリティクスによる計測をおすすめします。
Googleアナリティクスは、Googleが提供するWEBサイトのアクセス解析ツールで、どのページがアクセスされているか、どんな年齢・性別・地域の人がアクセスしているかがわかるようになります。詳しくは、アナリティクスのスタートガイド をご確認ください。
また、Googleアナリティクスでは、Campaign URL Builder等のツールを使うことで、どの広告から流入してきているか、どのメルマガからアクセスしているかが計測できるようになります。詳しくは、カスタム URL でキャンペーン データを収集する等をご確認ください。
今回は以上になります。いかがでしたでしょうか?ワーケーションプランの企画やその他ホテル・旅館のビジネスに参考になれば幸いです。